人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ドリーン・バーチュー博士公認エンジェルセラピープラクティショナー(R)の千鶴が、天使からのメッセージをお届けします。エンジェルリーディングのセッション等については、私のHPをご覧ください♪


by lovingangelsnadia
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

ダライ・ラマ講演会

先週、大尊敬しているダライ・ラマ法王の東京での
講演会に行ってきました。
以前からとても憧れていて、大好きな法王ですが
直接、この目で本物を見るのは初めてです。
何日も前から大興奮でした。

会場は相撲が行われる両国国技館。
いつもは土俵がある場所が、アリーナ席になっています。
マス席は二階席のような感じで下を見下ろしています。
私は、そのマス席の一番端に座りました。
ちょうど法王の真横を見る感じです。

早めに行くと、檀上には玉座が置かれていて、
その後ろには大きな曼荼羅。
そしてその両側には、スクリーンが備え付けられています。
会場には読経のテープが流れていて、厳かな雰囲気です。

入場する際には、全員が金属探知器によるボディーチェック、
持ち物の検査を受けます。そのものものしさに
亡命政府の最高指導者だということを、改めて認識しました。
ちなみに会場にはペットボトルも持ち込み禁止でした。

開始時間をだいぶ過ぎた頃
全員が立って、大きな拍手を送る中、ようやく法王が姿を表しました。
私は嬉しくて嬉しくて、拍手しながら号泣でした。

二階のマス席から表情は見えないのですが、スクリーンに
映し出される顔は、ネットなどで拝見する「人懐こい」表情そのものです。

今回の東京での講演の題名は
「人間の本質は光」というものでした。

まず最初の言葉として、法王が語ったのはこんな話でした。

「私は特別な人間ではありません。
皆さんと同じように、大勢の中の一人です。
そしてまた、私は一介の初心者の修行僧です。

私に会うと人生が変わる、とか、何か特別なことを
言うのではないかと期待していらっしゃった方もおいでかも
しれませんが、それは違います。

そして私には”Hearling powerがある、という方も
いますが、私にはそんなものはありません。

もし、私にそのような力があるならば、
先月受けた胆石の手術は、自分で治せたはずですから
受けずに済んだでしょう(笑)」

チベットの人々は、ダライ・ラマという存在は
菩薩観音が涅槃に行かずに、人々を救済するために
わざわざ地上に降りてきて生まれ変わったのだと信じています。

法王自身も、二歳の時に前の13世ダライ・ラマの生まれ変わりと
認定されてから、チベットの歴史とともに激動の人生を
歩んで来ました。

小さな頃から特別扱いを受けていたでしょうし、その特別な
立場ゆえに、祖国を追われても、亡命政府の指導者として
精神的、そしてもちろん政治の面でもリーダーシップを
取らねばならず、普通では考えられない苦しみもあるでしょう。

その「特別な人」が、自分を「特別ではない」と、おそらく本心から
話しているのが伝わってきて、私は静かに感動しました。

法王は、「私は子供の頃から、常に心の訓練をしてきました。」
と何度も語っていました。
彼の著書にも、その話はよく登場します。

彼の信じる「仏の道」を極め、そして自らの中に入っていけば
外側の世界がどんなに激動で過酷なものであろうと
内側には「たったひとりの人間」として、自分の存在を
小さいものとしてみると同時に、とてつもなく大きなものであり、
それは皆同じだということを感じたのではないかと、
それこそ、心の訓練の面で修行の駆け出しに過ぎない私も
法王の姿から感じることができました。

そして、改めて「癒し」というものは、外から与えられるものではなく、
内側からつかみとるものなのではないか、と考えました。
あるいは、それを助けてくれる人と同時に、お互いの思いが
なにかの化学作用のような感じで、ある素晴らしいものを
発生させることができる、そんなもののような気がします。

そして「人間の本質は光」ということについて、
法王は次のように語りました。

「人間の心を水に例えましょう。
時々、流れが淀んで砂が混じり、濁ることがありますが、
それはいつまでも続かない。
やがて自然に、澄んだ状態に戻ります。

その澄んだ状態こそが、人間の本質なのです。」

私たちが、日常で怒り、苦しみ、悲しみ、嫉妬などで
心が乱れたとしても、それは私たちの本質ではない。
砂が入って濁ってしまった状態に、一時陥っているだけである。
元の澄んだ水の状態こそ、私たちの本質なのである、ということです。

また法王は、
「ネガティブな心を持ってしまったら、それとは反対の心を
強くするように、訓練しなければならない。

ネガティブな感情そのものは、決してすべてが悪いわけではない。

たとえば、怒り、嫉妬、欲望などは、自分にとって必要なものを
引き寄せるために、ある程度あってもいいものである。

ただ、それが多すぎてしまうのが問題なのだ。

ネガティブな心は、まったく正反対の心を強くすることで
うまくつきあっていけるようになる。

それは”愛”と“慈悲”です。
私たち人間が生まれながらにして持っている、
生き抜くための強い力・・・
それがこの”愛”と”慈悲”の心なのです。」

Love and Compassion

法王はこの言葉を何度も繰り返しました。
これこそが、私たちに与えられた一番の力なのだと語っていました。

すべてを否定するのではなく、ありのままでいいのだと
そんなことを感じました。

人間は不完全です。
ミスを犯し、人を傷つけ、自分自身も傷つけます。
しかしそれは本質ではない。

湧き上がるあらゆる感情を否定せず、それでもなお、愛の心を
強くする訓練を続けよう、そんなふうに思いました。

法王は、通訳の方が話している間は、落ち着きなくきょろきょろして
あちらこちらに愛想を振りまき、あくびも何度もしていて、非常に
普通のおじさんっぽい感じでした。
常に緊張状態にある立場にも関わらず、このような自然な感じが
人気の秘密ですね。

講演が終わって、名残惜しくも法王が退場されるとき、
私の席の目の前にある、舞台の袖を通りました。
たくさんの人に支えられて檀上を降り、控え室に向かう途中
突然、法王がこちらを見上げたのです!

舞台の袖なので、その法王の姿を見ることができるのは
私も含めて、舞台の真横に座っていたマス席の10人くらいです。
その場所の全員が突然の幸運に大興奮でした。
私も思いっきり背伸びをして、大きく手を横に振りました。
法王もこちらをニコニコしながら見上げて、手を振り返してくれました。

「ダライ・ラマと目が合った!!!!」

なんて素敵な偶然でしょう!!!

法王は、確かに人を引き付けるものをお持ちだし、
話している時には威厳と確信に満ちていました。
ただ、ご自分が話している通り、特別な雰囲気を作ろうとするような
感じは全く無くて、普通で、自然でさわやかな風のようでした。

だから私にとっては、感動に体が震えるというよりも
「また明日からも頑張ろう!」と力強く思えるような
そんな素晴らしいエネルギーを持った方でした。
だからこそ、よりしっかりと確かなものを受け取りました。

そして私は改めて「普通でいる」ということの
大切さ、偉大さをしみじみと感じていました。
by lovingangelsnadia | 2008-11-13 11:17 | 日常のひとこま