ドリーン・バーチュー博士公認エンジェルセラピープラクティショナー(R)の千鶴が、天使からのメッセージをお届けします。エンジェルリーディングのセッション等については、私のHPをご覧ください♪


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私たちは「物語」を作っている

幼い頃に親しんだ世界を大人になると忘れてしまうのは
自然な流れなのかもしれません。
でも何かのきっかけで、その「昔住んでいた世界」を垣間見て
そこからまた新しいものを生み出すことはできます。

『パパの電話を待ちながら』
(講談社 ジャンニ・ロダーリ 著/内田洋子 訳)

国中を旅しながらセールスの仕事をしているパパが
留守がちなのを寂しがる幼い娘に
「毎晩9時になったら家に電話して物語を聞かせてあげるね」
と約束して出かけます。
この本は、その電話で父から娘に語り聞かせた話を集めた、
という構成になっています。
作者のロダーリは20世紀イタリアを代表する児童文学者。
イタリアでは「文字が読めるようになったら、まず読む」のが、
このロダーリの本と言われているそうです。

最初に日本で翻訳出版されたのが約40年も前になるこの本に、
登場するのは、ミニミニサイズの女の子、
ひとのくしゃみの数を数えるおばさん、
出かけるたびに体の一部分を無くしてしまう男の子、
おかしな国ばかりに行ってしまう偉大なる旅行家。
回転木馬やアイスクリームのおうち、チョコレートでできた道路
どこかに行ってしまった鼻・・・。

私はこの素敵なファンタジーを読んでいて思い出しました。
それは
自分の「子供の頃の記憶」です。

スウェーデンの児童文学「やかまし村」シリーズに夢中になって、
本を目の前にして何時間でも空想にふけったこと、
近所の酒屋の地下にあった酒蔵でひとり遊んだこと、
人形に名前をつけて、ごっこ遊びをしていたこと。

「やかまし村」は物語上の村で、家が三軒しかありません。
そのかわいい家々や、そこの家族の微笑ましい挿絵が
シリーズどこにでも、必ず見開きで載っています。
どこかの田舎にあるという「やかまし村」の、その挿絵を眺めては
子供の私は自分なりに登場人物を動かしたり、
あるいはその中に自分自身を登場させたり、
新しいエピソードを作っては楽しんでいました。

また、私の実家の近所で幼馴染の住む酒屋の地下には、
一年中同じ温度で保たれている酒蔵があり、
もちろん、子供だけで入ってはいけないことになっていたのですが
よく潜り込んでは一人で遊んでいました。
たぶんやっていたのは「スパイごっこ」だったと思います(笑)。
遠くの方に聞こえるくぐもった友達の声や、車の音、
夏でもひんやりとした土の壁の感触を覚えています。

そんなふうに、空想にふけってばかりの私の子供時代でした。

そして、大人になったその後。
想像して遊ぶことはいつの間にかなくなり、「考える」ことを
とても大切に、あるいはそれだけを中心にして生活するようになりました。
でも、私は自分の子供たちへの絵本の読み聞かせを通して
忘れてしまった「想像の世界」に再び触れる機会を得ました。

子供たちは不思議な話が大好きです。
言葉遊び、オチのない話、意外な展開、見たこともないような世界や
生き物、そして場所。

でも私には当時、それらの話は退屈だったのです。
どうして子供たちが面白がって何度も読んでほしいとせがむのか
よくわかりませんでした。
毎晩寝る前に「三冊までね」と決めていたのですが
「もっともっと!!!」と要求されて、同じ本を読み返したり、
結局は五冊くらい読むのが日課でした。

でも、ほとんどの本が何回読んでも、その時の私にはおもしろいとは
感じられなかったのです。
そして、私がいいと思って選んだいわゆる「勧善懲悪もの」に
子供たちはそんなに関心を示してはくれません。

逆に、何度もリクエストされるのは、繰り返しおかしなフレーズが登場する
言葉遊びの本や、オチがなかったり、展開が奇想天外な
いわゆる不思議な話ばかりです。

その頃の私は、子供たちと一緒に「不思議な世界」に入って行けませんでした。
いつの間にか想像することを楽しめなくなっていたのです。

今思えば当時の私は、生活に追われ自分らしくない生き方をしていました。
結果を出すことがすべてで、プロセスを楽しむ余裕はなかったですし、
そんな選択肢があることにさえ気が付きませんでした。
だから「オチのない話」を楽しむことはできません。
「”不思議なこと”なんて、何の役にも立たない」
そう思っていたのかもしれません。

いつから「オチ」ばかりを求めるようになったのでしょうか。
子供たちが楽しんでいるのに、その横で楽しめない私。
その差はどこで出来てしまったのでしょうか。

きっと目の前の出来事、物質的な事柄ばかりに
心を奪われてしまう状態が長く続いたためでしょう。

でも、何もないところから、あるいはほんのちょっとの楽しいことから
子供のころの私や、目の前で読み聞かせをせがむ私の子供たちを
無限に広がる世界に連れて行ってくれたのは
まぎれもない、内なる「想像力」だったはずなのです。

想像力=心を広げてくれる力

不思議な話は、想像力を使ってたくさん考えるためのチャンスを
与えてくれます。
「どうして?」
「なぜ?」
「このあとどうなるの?」

次から次へとどんどん新しい思いや考えが浮かんできます。
「あれかな」
「もしかして、これかな」
「いやいや、こっちかもしれない」

そのことが心の中に、とても大きなスペースを作ってくれます。

そのスペースがつまり心の余裕ということ。
それはとてもとても大切なスペースです。
だから大人になっても、そのぶん心に幅があるから
自分に選択肢を多く与えてあげられるのだと思うのです。
一旦出来たそのスペースは、決してなくなることはないのですから。

だから、幼い頃に信じていたサンタクロースの存在を、
大きくなってバカにするようになったとしても、そのサンタクロースのいた
心の中のスペースは、そのまま残されるのです。

それは目の前のことだけに左右されない
そのもっと向う側にあるもの、
見えないもの、かたちにならないものや
他の可能性を考え模索する力につながると思うのです。

それが
「生きるための知恵」に繋がるのかもしれません。

「こういう本を得た子供は”心が丈夫”になったことだろう」
この本の帯で作家の江國香織さんがそう書いておられますが
本当にその通りだと思います。

子供の頃のこういった物語との出会いは、かけがえのないものです。
私が見えないものを信じることができるのは、きっと
たくさんの想像力をかきたてられる体験をしてきたからです。
例え私が離れてしまうことがあっても、そのことが
「楽しむことができる場所」へと、また連れ戻してくれるのです。

でも、大人になってからでも、こういうことに関心を持てば
遅すぎるということはないのではないか、と私は今思っています。

楽しむこと、想像力を広げることは、いつだって始められる。
心を広くすることに、遅すぎるということはないのではないでしょうか。

その対象はなんでもいいのです。
今からサンタクロースを信じることを始めたっていいのです!
それはとっても素敵なことです。
もちろん、天使だったりするかもしれませんし、こういった本だったり
音楽や絵画だったり、スポーツをすることから感じられるものだったりすること
だってあるでしょう。

そうすることで、私達はより多くのことに気がつくことができるのです。
世界が変わり、新しくなるのです。
それは心が広がるから・・・。

この本を私にご紹介してくださったのは、講談社のIさんです。
Iさんは、親子二代に渡って、このロダーリの作品の刊行に立ち会われた
編集者です。
Iさんにとって、この本を再び世に送り出すことが、編集のお仕事を
志すきっかけだったそうです。
ここには夢を信じて進んで来られた、Iさんの情熱もたくさんつまっています。
私にいろいろなことを思い出させてくれたこの本を
出版してくださったことと、私に紹介してくださったことに
この場を借りて、心からの感謝をお伝えします。
Iさん、本当にありがとうございました!


最後に・・・。
子供を、平和を愛したロダーリが、この作品の中で
「ストックホルムを買った男の話」を書いています。
その中から、素敵な一節をご紹介いたしましょう。
この話を読んで私は、
私たちは誰もがその内なる力によって物語をつくっているのだと
ロダーリが言ってくれているような気がしました。

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”ストックホルムの町を買う”

その男は散髪屋でした。
思いもかけない破格の条件で、ある男から「ストックホルム」の街を
買い取ることができました。
その幸運さに、我ながら「得な買い物をしたものだ!」と
感心しています。
でも、街を破格のお得さで買い取った、その男は本当に「お得」な
買いものをしたと言えるのでしょうか?

「ところがそれは大間違いでした。
お買い得どころか、高すぎる買い物でした。
世界は、この世に生まれてくるすべての子どもたちのものであり、
手にするためにはお金なんかいらないからです。
それぞれが腕まくりをし努力して、手を伸ばせば、
自分でつかめるものなのですから」

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by lovingangelsnadia | 2009-06-04 12:30 | 天使のメッセージ